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Life

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LIFE Episode 0003

wyvern

月明かりが闇夜に差し、切り立った岩峰があらわになる。 荒涼とした大地に生き物の姿は少ない。 ただ飛竜のみが、風をうならせ大空に戯れている。 わたしは窓の方を向いて飛竜の姿を確認する。 あの子、気の済むまで遊んだかしら。 遠くを眺めると、小さな影が活発に動き回っている。 まだ戻ってくる気はないようだ。 わたしは、魔法でこの世界に干渉する。 言葉ひとつで魔物は鳥の姿となり、指先へと降り立つ。 タクトを振るえば、火の精霊が現れて部屋を照らす。 ただ、魔法も使い方には注意をしなければならない。 彼らにも意思はあり、乱暴に振る舞えば反抗だってする。 彼らは大切なパートナーだ。 そして、それは飛竜も同じ。 空気が震え、徐々に羽ばたく音が近づいてきた。 そろそろお休みの時間のようね。 わたしはタクトを握り、飛竜を迎えに腰を上げる。 魔法は万能ではなく、一筋縄ではいかない世界。 だからこそ、この世界は面白い。

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